仙台駅からバスで約1時間、山元町にこつ然と赤いダイヤモンドマークが現れた。GRAの大規模いちごハウスだ。
このハウスの名前は「ICHIGO WORLD」と言う。外見は非常に管理の行き届いた最先端農場であることを想像できる。
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バスから降りるなりGRAグループ代表の岩佐氏が颯爽とセグウエイに乗って現れた。何ともカッコイイではないか。
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今回はGlobis経営大学院で年に一回開催されている在校生・卒業生が一同に集まるイベント「あすか会議」が仙台で行われた関係で私も参加し、始めて山元町まで足を伸ばす貴重な機会を頂けGRA見学に参加する運びとなった。

さて、話しを戻すと、山元町のこの辺りは東日本大震災の被害が甚大で、津波で全てのものが押し流されてしまったそうだ。当時山元町の人口の4%の方が無くなったということで、今も塩害で農地の復興はままならない状況とのこと。そんな中GRAは約4年でここまで復興してきていることはすごいことだと実感した。
ハウスの周囲は非常に清潔に整備され、農家というよりは生産工場のような雰囲気を感じる。
井戸を4m掘ったら塩水しか出なかった為、80mもの深さから真水を汲み上げ更に特殊濾過装置を通して農業用水として使っているという。
更に、地盤はペーパースラッジ灰という雑草を抑える最先端土壌を敷き詰め外部からの病害虫を予防している。
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さて、ICHIGO WORLDの中に入ってみることにしよう。
これはすごい!全て無人でIT技術によって生産管理され、いちごの苗は空中に浮いた状態で水温、気温、湿度、光量、養分、等を調整する為、各種センサーによって環境変化を感知し、それに応じたファン、水、採光、追肥、等をICTという技術によって管理されていた。
何度も言うがこれはまさに生産工場である。凄い!!

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ICTを駆使したいちご生産管理システム

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大盛況なイベントルーム

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完全水耕栽培でICT管理された農園内部

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いちごが出来るまでには16ヶ月もの歳月がかかるそうだ。その為収量は少しも無駄にすることは出来ない。更に後世に引き継いて行くにも人材育成に何年もかかる為非効率で多くのコストがかかることになる。
その為GRAはIT技術によって容易に生産ノウハウを継承出来る仕組みを作り上げている。
しかもグループは特定非営利法人(NPO)と株式会社の2種類の法人を運営している。NPO側は町の復興、人材の育成を主に支援し、株式会社側はそこで生まれた人材によって先端営農収益を増やす、というサイクルを回す取り組みをされている。
このようなサイクルは非常に時間のかかる事業である為、継続的なボランティアが必要となる。
 
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最後に、ここで生まれたいちごは都内高級百貨店で1粒1000円という高値で売られている超高級果実だ。更に年間を通じて収益を確保する為、スパークリングワインや菓子類(飴)等の商品展開に熱心に取り組んでいる。
尚、ワイン等は関東の有名百貨店等で購入出来るとのこと。
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いやはや、今後の先端農業に興味深々だ。
*:下はCFO自らシャンパンボトルを開けている様子、、
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最後に、津波に押し流された山元町駅も2年後の開業を目指して高架橋の建設が急ピッチだった。これが出来たら駅から徒歩5分程で現地を訪れることが出来ることになり、将来が楽しみだ。
 
更なる発展に岩佐さんにエールを送りたい。